変動金利の住宅ローンは借り入れ当初の金利を必要最小限に抑えることのできる非常におトク感が高く、超低金利の現在は非常に人気があります。
今回は変動金利について、4つのポイントに絞ってしっかりと学んでいきましょう。
世の中の金利によって変化する変動金利
変動金利は短期プライムレートという金利に連動して変化します。
短期プライムレート(略して短プラ)は銀行が優良企業へ貸し出す1年未満の融資に適用される金利で、そのレートは各金融機関が世の中の金利の動向を見て自主的に決定しています。
2018年5月現在多くの金融機関で最も適用されているの短期プライムレートは1.475%です。
ちなみに住宅ローンの変動金利は年2回(4月と10月)の短期プライムレート(金利)の動向に連動して金利の見直しが行われています。
年2回金利の見直しが行われますが、月々の返済額がその都度変わるわけではなく、実際には返済額は5年に1回見直されます。 「5年に1回変わる」ということを押さえておきましょう。
店頭基準金利って何?
店頭基準金利は各銀行が短期プライムレートにコストや利益を上乗せした金利で、一般的には短期プライムレートに0.5%~1.3%を上乗せしています。
住宅ローンの融資の際に適用される金利は「適用金利」になりますが、適用金利は基準金利から各銀行が一定の金利を引下げた(優遇した)金利です。銀行のホームページなどで表示されている「優遇金利」は、「基準金利」から金利引き下げ後の「適用金利」のことを言います。
は、マイナス金利の導入やネット銀行の進出などによって銀行間の優遇金利競争が激しいため、変動金利「適用金利」のほうが短期プライムレートより0.4%~0.6%ほど低くなっています。
住宅ローンの金利はいつ決まるの?
実際に住宅ローンを借りる際の金利はどのタイミングの「適用金利」が当てはまるのでしょうか?
住宅を新築で取得するとなると、不動産の契約から実際に建物が建つまでにマンションなら1~2年ほど、戸建てなら1年ほどの長い期間を要します。
その間に売買契約→住宅ローンの仮審査 → 本審査 → 契約 → 融資実行という手続きの流れが発生します。
多くの銀行で住宅ローンの金利が決まるのは、融資実行のタイミングですが、「どの住宅ローンがよいのかな?」と住宅ローンの金利を実際に意識し始めるのはまだ建物自体は建っていないが、購入物件がある程度決まっている段階からになります。
つまり、住宅ローンを意識する時期と実際に融資実行までの間に相当の期間があるということで、その間に金利が変動していく可能性もあり注意が必要です。
住宅ローンの変動金利の月々の返済額はどのように変わるの?
変動金利の返済額は5年に一度見直されます。その間に世の中の金利が大幅に上がり、現在借りている住宅ローンも大幅に上がってしまうのでしょうか?
住宅ローンの5年に1度の見直しの際には「125%」というルールがあります。
返済者の負担を考慮して、「どんなに金利が上昇しても、従来の返済額の125%を超えないこと」という上限が設けられています。これが、「125%ルール」です(元利均等返済のみのルール)。
例えば、月々の返済額が10万円だった場合、次の5年間の返済額は金利が上昇しても最大12万5000円に抑えられるということです。金利が急激に上昇しても、返済額が無制限に跳ね上がることはありません。
しかし、注意点がありまして、125%を超える分については、次の5年間に先送りされることになります。「返済額は最大125%(1.25倍)までしか増えませんので変動金利は安心ですよ」と説明されることがあるかもしれませんが、将来的に返済を先送りしているだけということなので注意が必要です。
まとめ
これらは予備知識として身に着けておくべき情報ですが、そうしたキホンをもとに過去の金利の推移を把握し、この先の国の政策の動向を知って将来の金利をある程度予測することも重要です。
そうした情報とあなたのこの先の人生設計(ライフプラン)を照らし合わせてこそ初めて自分にピッタリな住宅ローンが見えてきます。