配偶者特別控除の真実はこれだ!パート勤めで絶対損しない4つのモデルケース

今や共働きが当たり前の時代。ここ20年ほどでライフスタイルが大きく変わり、妻が専業主婦の世帯数に対し、夫と妻がサラリーマンや自営業の共働き世帯数が大きく上回るようになりました。(別表1)

ゆとりある生活の実現のために『旦那が勤めて奥さんが家事に専念する』という役割分担型のライフスタイルから、『一緒に家計を支えあう』時代になりました。

充史
今回は配偶者特別控除について、パートで働く奥様方への大変参考になる記事ですので最後まで読んでくいださいね!

配偶者特別控除を考えよう

別表1

専業主婦世帯数と共働き世帯数の推移の表
厚生労働白書、男女共同参画白書より引用

そして、そうしたライフスタイルの変化に合わせるように、国の方針も大きく変わろうとしています。

そのひとつが『103万円の壁』と言われる配偶者特別控除の拡大です。2018年から所得税の配偶者控除を受ける要件が配偶者の給与年収103万円から150万円に引き上げられ、多くの世帯では配偶者控除をより多く受けられるようになりました。

いわゆる『103万円の壁』を意識して労働制限をかけていたパート勤めの主婦に対して『女性にもっと働いてもらおう』と配偶者特別控除の範囲を拡大することになりました。

新しい制度が始まって、主婦の方たちは実際にどのように働いたらよいのでしょうか?

今回は2018年の制度変更の概要について簡単に解説し、大阪在住の年収500万円の会社員の夫(35歳)とパート勤めの妻(35歳)をモデルケースとして4つのポイントに絞ってお伝えします。

2018年度から配偶者特別控除の範囲が拡大

【概要】
2018年度より配偶者特別控除の範囲の拡大によって妻の年収『103万円の壁』が『150万円の壁』にまで引き上げられるようになりました。

今までは妻が年収103万円を超えてしまうと、夫の配偶者控除の38万円が受けられなくなりました。また配偶者特別控除も年収の段階により減少しましたが、2018年度からは150万円まで働いても夫は配偶者控除は受けられない代わりに配偶者特別控除の38万円が一律で受けることができるようになりました(別紙2)。

覚えておこう

配偶者控除を受けるためには夫の年収が1120万円以下という条件がつきます。
年収1120万円を越えると控除額が減り、1220万円を越えると控除がなくなります。

別紙2

源泉所得税の改正のあらまし
国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」より引用

1.妻が年収100万円~103万円までの範囲で働く場合

103万円の壁という言葉が有名なので忘れがちですが、年収の壁で最初に出てくるのが、住民税の「100万円の壁」です。年収100万円を超えると、住民税が発生するので「100万円の壁」と言われています。年収100万円までは住民税がかからないため、ほぼ手取りになります。下記の表のように妻の年収が100万円の時と103万円の時で住民税の面で手取りが若干変わっています。

妻の年収が100万円の場合妻の年収が100万円の場合の表

妻の年収が103万円の場合妻の年収が103万円の場合

 

2.妻が年収130万円を超えないで働く場合(年収103万円~130万円 *一部年収106万円)

2018年度からの配偶者特別控除額の範囲の拡大によって妻が年収150万円まで働いても夫の控除額は38万円のままでこれまで通り変わらないので、単純に考えると妻が年収150万円まで稼げばおトクということになります。

しかし、ここで注意しなければいけないのが、『103万円の壁』と『150万円の壁』の間に『130万円の壁』があるということです。社会保険とは、健康保険や年金のことで、サラリーマンの妻は、年収130万円以下であれば、健康保険の被扶養者になっています。年金も同じく、年収130万円以下の場合は第3号被保険者となり、国民年金の保険料を納めなくていいのです。

年収130万円を超えると、夫の被扶養者からはずれ、自分で健康保険に入ることになり、健康保険や年金の保険料を自分自身で払わなくてはいけないということになります。妻の年収が130万円を超えなければ引き続き夫の扶養家族であるため社会保険の負担は発生しません。

年収103万円以内に抑えていた妻が130万円以内ギリギリまで働く時間を増やし、およそ3割ほど働く時間を増やそうとすると、今までよりも手取りでおよそ29万円ーおよそ5万円(所得税他)=24万円ほど増えるという目安です。

妻の年収が129万円の場合妻の年収が129万円の場合

下記の条件を満たすパート妻は年収106万円を越えると自ら社会保険に加入することになりますので、保険料の負担が重くなるので注意が必要です。

<条件>週20時間以上、 勤務期間1年以上見込み、学生は適用除外、従業員501人以上の企業(2017年4月より 労使の合意があれば501人以下でも加入可能)

 

3.年収130万円を超えて働く場合

妻の年収が130万円以上の勤めをした場合、夫の社会保険の扶養家族から外れることになります。その場合、夫は配偶者特別控除38万円は受けられますが、妻は社会保険が年間およそ19万円と所得税などで2万円ほど、合計21万円ほどの負担になります。結果として年収は103万以内に抑えたときよりもおよそ30万円増えるものの、そこから21万円を差し引き、30万円ー21万円(社会保険と所得税他)=9万円ほど増えるだけということになります。

妻の年収が130万円の場合妻の年収が130万円の場合の表

 

4.年収150万円を超えて働く場合

妻の年収が150万円を超えると夫の配偶者控除はなくなるものの配偶者特別控除を受けることができます。3.の場合と同じく夫の扶養家族から外れ、社会保険の負担が発生します。そして、これまでと大きく異なるのが年収150万円を超えると配偶者特別控除の額が妻の年収に応じて徐々に少なくなっていく点です(別表2)。控除額の減額が始まりますが、妻の収入が201万円までは控除を受けることができます(ただし、配偶者控除・配偶者特別控除ともに、利用できる夫は原則的に年収1220万円以下まで)。

妻は社会保険が年間およそ21万円と所得税などで4.6万円ほど、合計25.6万円ほどの負担になります。妻の年収が150万円の場合、130万の時よりも妻は年収が20万ほど増え、手取りでは14万ほどが増えることになります。しかし、妻の年収が130万円の時と比べると夫の配偶者特別控除額が減ってしまうため、ご主人の手取りは7万ほど減ってしまいます。結論を言えば、単純計算で妻が年収を130万から150万に20万円増やすと世帯の手取りで7万円ほどが増えるということになります。

妻の年収が150万円の場合妻の年収が150万円の場合の表

妻の年収が170万円の場合はどうでしょう。130万円の時よりも年収が40万円増え、手取りでは29万ほどが増えることになります。年収150万円の時と同様ご主人の手取りは7万ほど減ってしまいますが、単純計算で妻が年収を130万から170万に40万円増やすと世帯の手取りで22万円ほどと大幅に増えるということになります。

妻の年収が170万円の場合妻の年収が150万円の場合

配偶者特別控除のまとめ

子育てにゆとりある時間を取りたい妻は夫の扶養の範囲内で年収130万円以内に抑えるのがよいですし、逆に時間的に働く時間の余裕があって「どんどん働きたい」という妻の場合は年収が150万円を超えて、増えれば増えるほど世帯収入もどんどん増えていきますのでおススメです。

まとめのイラスト

また、妻が年収150万円を超えてパート先で厚生年金に加入できると、妻は将来老齢厚生年金を受け取ることができ、また働き先で健康保険に加入できれば長期で働けなくなってしまった場合も健康保険から月給の3分の2ほどが傷病手当金として給付されたり、出産で産前産後休暇を取りその間の給与が支払われない場合は月給の3分の2の出産手当金も出るなど社会保障が非常に手厚くなるメリットもあります。

「家事になるべく時間を割きたいので必要最低限パートで働きたい」、「今はまだ子供が小さいので小学生に進学してからは目一杯働きたい」などご家族それぞれにライフスタイルがあります。そのため一概にどの働き方がよいということは言えませんが、今後のご家族のライフスタイルを考慮し一度働き方についても検討してみてはいかがでしょうか?

充史
いかがでしたか?損をしないパートの働きかたでした。奥様の参考になるように「家計の知恵袋」の記事を増やしていきますので、お楽しみに!

この記事を書いた人

充史

住宅業界専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。
常にお客様の立場に立ちながら、絶対に無理しない資金の予算診断には定評があります。
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