お家の予算はどうやって決めたらいいの?3つの目安とは?

そろそろお家を買おうかと思い早速物件探しを始める前にまず押さえておきたいのが住宅購入の予算です。あなたにとって適正な予算って一体いくらなのでしょうか?今支払っているお家賃相当額?それとも不動産屋さんやハウスメーカーの営業さんのはじき出した額?今回はあなたにとって無理なく家を「買える額」について、一般的に言われている3つの目安についてまとめて解説していきます。

指標1 今払えている家賃は実は参考にならない!?
指標2「借入額は物件価格の8割まで」「返済額は年収の25%まで」は参考にならない!?
指標3 借りられる額=予算は実は大きな落とし穴。
まとめ ライフプランを立ててはじめて「買える額」がわかる。

今支払えている家賃は実は参考にならない!?
お家を買おうと物件探しに不動産屋やハウスメーカーを訪れると、営業さんから「ご予算は?」とよく質問されます。その会話で基準になってくるのが、今お住まいのお家賃支払額です。例えば、夫婦と子供の3人住まいで毎月8万円を支払っていたとすると、「ご予算は今支払えている額(8万円)までなら返済可能ですね?」という話に落ち着くのです。しかし、その会話には実は大きな落とし穴があります。確かに現在は支払できていてもお子さんがこの先成長していくと、今より食費も掛りますし、いずれ携帯電話を持つようになって通信費も掛りますし、順調に進学すれば教育費も増大していくのは確実です。さらに、一般的に出産当時から20年後には食費や衣服、日用品などの基本生活費は少なく見積もっても約1.5倍に膨れ上がります。生涯の教育費も子ども一人当たり約1500万ほどが掛かってくるのです。つまり、「今支払えている家賃」は全く参考にはなりませんし、へたをすれば家計的に将来今よりも安いお家賃のお家へ引っ越さないといけない家族も多くいるのです。
正しい予算を把握せずに不動産屋さんやハウスメーカーを訪れると、このようなあいまいな予算の決まり方になってしまうケースが実は非常に多いのです。

「借入額は物件価格の8割まで」「返済額は年収の25%まで」はあくまで参考数値にしかならない
予算とは一般的に自己資金と借入金の合計額のことをいいます。手持ちの預貯金とご両親などからの援助資金(相続や贈与)の額と住宅ローンの借り入れ額との合計額のことです。自己資金は一般的に物件価格の20%以上が安全な返済の目安と言われています。ということは、借入額を物件価格の80%以下という目安になり、例えば3000万円の物件価格の場合、最低でも自己資金を600万円は準備する必要があるということになります。しかし、600万円の預貯金を事前に準備できるのは40前後のよほどの裕福な世帯かタブルインカム(共働き世帯)でないと困難でしょうし、やや時代錯誤な指標といえます。私が出会ったお客様の中でもこの条件をクリアした世帯は旦那様が弁護士であったり共働きで1部上場企業にお勤めなどごく一部の世帯でした。今では自己資金がほとんどなくても住宅ローンを借りることも可能ですので、あくまで「この条件をクリア出来たら将来的に余裕になる」指標として参考程度にしてください。

もう一つの指標は、65歳から現在のご年齢を引いた年数が返済上限年数の理想と言われています。例えば、30歳の人の場合、65-30=35年になります。そして、この返済上限年数にご年収の25%を掛けた金額が年間の最大返済額の目安になります。ご年収が500万であれば500万×25%=最大150万(年間返済額)ということです。こちらの指標も実はあまり参考にならない指標で、過去に私のライフプランを受けていただいて、年収の25%では返済負担があまりにも多過ぎる結果になった世帯は非常に多くおられました。なぜなら、この指標はあくまで「収入」しか見ておらず、「家族構成」やこの先にさらにかかるであろう「支出」の要素が加味されていないためです。例えば、年収が500万であってもお子様が1人いる世帯もあれば3人いる世帯もあります。人数が多ければ当然「支出」は多くかかり住宅費用以外の支出が多くかかることから、年収の25%が返済上限という考え方は成り立ちません。

指標を参考にせず、ご家庭それぞれの生活費や将来かかる費用をしっかりと押さえながらライフプランを立て、無理のない返済プランを立てることが最も重要なのです。

借りられる額=予算は実は大きな落とし穴
もう一つよくある考え方ですが、「金融機関から借りられる額の上限」が「無理なく返せる額」とは限りません。
お家を買おうと物件探しに不動産屋やハウスメーカーを訪れると、営業さんから「住宅ローンの事前審査」を受けるように勧められます。事前審査とは、ご年収やご家族構成などの個人情報や取得しようとしている土地や物件の情報を事前に申告することで、金融機関が融資してくれる額を提示してもらえる仕組みです。あなたに「〇〇〇〇万円までは融資できますよ」という融資の上限額が分かります。「金融機関の言うことだから安心して上限いっぱいまで融資を受けよう」となりがちですが、ここにも落とし穴があります。

金融機関は返済比率(返済負担率)という指標をひとつの目安にして融資の上限額を設定します。
返済比率(返済負担率)とは、「年収に占める年間返済額の割合」のことで、住宅ローン審査で金融機関がチェックする指標の一つです。返済比率(返済負担率)が基準を超えると返済負担が重くなり返済が滞るリスクが高まるので、借入額を減らされたり、場合によっては融資が受けられないこともあります。金融機関の返済比率(返済負担率)の審査基準は30~35%程度が一般的で、返済比率(返済負担率)の計算式は下記の通りです。

返済比率(返済負担率)%=年間返済額÷年収×100

*年収は、会社員なら社会保険料や所得税などを差し引く前の「税込み年収」をいい、年間返済額には住宅ローンの毎月返済額やボーナス時返済額だけでなく、カーローンなど住宅ローン以外の借り入れがある場合その返済額も含めることになります。

返済比率は所得が増えると借りることのできる融資額も増えるという計算ですが、所得が増えると税金や社会保険料などの負担も増え、年収が多少増えても手取りは意外と増えないものです。一概には判断できないため、借りられる額=予算は大きな落とし穴になります。

住宅ローンをいくら返せるかの目安は、先々の収入や教育費の変化なども考慮しながらこれまで払ってきた家賃などの住居費や貯蓄額から、今後必要となる貯蓄や住宅の管理費などのランニングコストを差し引くことで計算できます。こうした作業をライフプランニングといいます。正確な予算の設定にはライフプランを立てる必要があるのです。

まとめ
ライフプランを立ててはじめて「買える額」がわかる
わたしたちの人生には、就職、結婚、出産、育児、住宅購入、定年、介護といった様々なイベントがあります。こうした将来のイベントのうち、「住宅購入資金」「子どもの教育資金」「老後資金」は人生の3大資金と言われています。ライフプランとは、これらのイベントについてお金の面から考え、人生を設計することをいいます。そして、将来家族で受け取れるであろう収入から将来の生活費や今後訪れるイベントにかかるであろう支出を差し引きをすると将来どのぐらいのお金が残るのかがわかります。ライフプランとは会社の将来をはかる「事業計画書」のようなものです。住宅取得を考えはじめると、これまで解説してきたような簡易な指標を参考にしたくなりがちですが、収入や支出はご家族ごとに異なり、指標を使って自分の家計を型にはめることは困難です。一方、ライフプランニングは家族ごとの家計の収支の状況を反映し、将来の見通しを鮮明に立てることができるので、より精度の高い指標が出来上がります。最近はネットでも簡易なライフプランの無料ソフトも見受けられますし、将来絶対に失敗や損をしたくないと思われる方はプロのファイナンシャルプランナーに相談してみるのも一つの方法です。ライフプランニングは非常に手間がかかる作業にはなりますが、世界にひとつだけのあなたの家族のライフプランによって将来の見通しを立ててみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

充史

住宅業界専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。
常にお客様の立場に立ちながら、絶対に無理しない資金の予算診断には定評があります。
住宅ローンに不安をお持ちなら、ぜひ、私のFP診断を受けてください。「現在」と「未来」を見える化できるので、将来の見通しが立てることが可能になり、すべての不安を解消できます。